【友は今も声を枯らし身を削り 世界のために 僕らのために愛を叫んでいるのだから】


土曜日 
家族で宵祭りを歩いていると 数人の団体が素早く人目を縫い歩き
その代表の人が、手当たり次第に握手を求めていた。

するとそれに気づくか 気付かないかの最中に、彼は僕の目の前に歩み寄り
何やら早口で自分の名前を名乗ったかと思うと すごく親しげに握手を求めだした

僕からすれば目の前に現れた知らないおじさんが突然握手を求めているわけで
常識的に見て、その行為はちょっとコミュニケーションとしては不適切というか

どうやら
彼はある党の立候補者か、あるいはそういうコスプレが好きな変わった人のようだ
(それくらい自己紹介が不十分だったので・・・)

もしも候補者なら、そんな行為で投票してもらおうという浅はかな考えを
政治に 国会に持って行こうとしていること自体が 不謹慎であるとそう感じた。

あえて政治家 団体名は伏せますが

自分は有権者として親身に政治というものに向き合ってるつもりです。
そしてそれはただの椅子取りゲームではなくて

クニツクリ 大切な生活の一部なのです。

立候補者が自己紹介もすっ飛ばして ただ投票時に書き込む名前だけを誘導しようと
限られた選挙期間に ”手当たり次第に名乗って握手” なんて有権者を軽んじているのか 
それとも何も考えていないのか 

僕は無意識にその手を握り返すことをしなかった
すると彼は不思議そうな眼で
表情は作り笑顔で
僕の顔をにらみ返してきた

そんな人に政治は 国は 未来はの世界任せられない

きっとだれかに任せるものじゃない 
政治はクニツクリは
日々の着る物食べるもの 使う道具 人とのコミュニケーション 
その選択の一つ一つに潜んでいて
僕らは声で 行為で 振る舞いで 
職場で 学校で キッチンで ステージで
どこに居たって国を作ることができる
だれだってそれぞれに出来るベストな選択と責任が絶対ある

それに気付かせてくれた友は今も声を枯らし身を削り 世界のために 僕らのために愛を叫んでいるのだから